2012年11月9日金曜日

便利でお得な社会の憂鬱

戦後の社会においてもっとも普遍的な価値観は、「便利」と「お得」だろう。国家のために身を尽くす、義を重んじる、忠や考みたいな価値観で動いている人はその良し悪しはともあれ今やほとどいない。

電車が通った。スーパーが出来た。コンビニができた。インターネットができた。携帯電話ができた。
それは還元すればすべて便利になった、ということだ。

そして、最近では商品が安くなることでお得になったとか、ポイントが貯まってお得になったとか、お得が強調されている。
百円均一やファストファッション、激安牛丼、配送無料、格安航空機LCCなど、これはかつての商品価格より安くなってお得になったというわけだ。

便利でお得ということには抗い難いものがあるのは確かである。しかし、便利でお得になって豊かで幸せになったかと言ったら別問題である。
不便でお得ではないことが、豊かであったり幸せなことも多い。わざわざ不便でお得ではない田舎に移住する人がたえないのもその証拠である。

社会的なモラルを疎かにして、便利でお得な利潤を追求した結果、一度巨大な災害が起これば脆く、出口のない憂鬱な社会になってしまった面もある。
そろそろ便利でお得に代わる価値観が必要な時代になってきているのではないだろうか。(三)